物語の創作ヒント

クライマックスが思いつかない?ありがちな失敗例と対策

2024年2月27日

 

あああぁぁぁぁぁ~!!詰んだぁぁぁぁぁ!!
ショーゴ
ソーサク
どうしたの?ゲームのラスボスで詰んだの?
違うよ!今書いてる作品のラストが浮かばないんだよ!
ショーゴ
ソーサク
えぇ……(困惑)

 

どうして作品のラストが浮かばないような事態が発生する?

みなさん、物語を作る上で

「結末(ラスト)が思いつかない」

という事態に陥ったことはありますか?

そもそも物語の結末とは作品においてどういう立ち位置でしょう。
キャラクターたちがたどり着く終着点?
それは確かにそうですが、もっと具体的にいうと

「キャラクターが持つ自らの葛藤に対する答え合わせ」

これが一番しっくりくる表現ではないかと私は思うのです。

この部分が思いつかないから結末が思いつかない、ということになるのです。

確かに……言われてみればそうかも
ショーゴ

ではこれを踏まえた上でストーリー作りでラストが浮かばない失敗の原因を
解説していきましょう。

 

設定ばかりつくって膨らんでしまっている。

これはこの記事を読んでいるみなさん経験があることではないでしょうか(笑)。
わかりますよ。設定作ってる時って楽しいですよね。

でもこれがクライマックスを思い浮かばない原因の一つです。

主人公がどんなやつで、ヒロインがどんな子で舞台設定はどういう世界観にするかとか
敵キャラはどうするのか、味方キャラはどういうやつらにしようかとか。

主人公の好物はこれでヒロインの趣味はこれで味方キャラの性格は(以下エンドレス)

そういう「設定」ばかりが膨らんでクライマックスを作るどころか
ストーリーが全く進まない、というのはよくある失敗です。

非情にやっかいな失敗パターンですが小説や漫画を描こうと思い立った人の
ほとんどが嵌る罠です。

ぎくっ(身に覚えがある顔)
ショーゴ

キャラクターの設定は、過去に何があって何を間違えたのか
それに対してどう答えを出すのか。
クライマックスを考えるための設定はひとまずこれだけでいいです。

 

答えがわからない状態で物語を作ってしまう。

前述で述べたとおり物語の結末とは「キャラクターが持つ自らの葛藤に対する答え合わせ」です。
作者本人が答えがわかっていない状態で物語を始めても
結末はわからないですよね。

結末を用意してそこからストーリーの肉付けをしていくと
ラストが浮かばず手が止まるなんていう事態は避けられます。

人によってはラストは決めず作ってうまくいく人もいます。
が、そういった人は思考が柔軟で
アイデアが思いつく運とうまくいく運を両方持ってる人です。

ぶっちゃけ少数派なのでそういった人たちは参考にしないほうがいいです。

でもクライマックスをまず思いつくって結構難しいよね
ショーゴ
ソーサク
だね。でもクライマックスを思いつかないと面白い作品作りは厳しいよ

前述の設定部分、つまり
過去に何があって何を間違えたのかそれに対してどう答えを出すのか。

ここの部分をしっかり設定で決めておけば自ずと答えはわかるはずです。
それでもわからない、というのであれば設定の作りこみが甘い。ということになります。

 

具体的にどうすればいいのか。

ぶっちゃけ設定というのは誰でも作れるものです。
ですが「クライマックス」を作れるのは作者のあなただけです。

そうだからこそクライマックスを作るのはとても大切なのです。
もしあなたがクライマックスを作らず作品作りをしていて
結末が思いつかず手が止まってしまっている方なら
クライマックスを先に必ず作りましょう。

では参考になるかどうかわかりませんが、筆者のやり方を記載します。

参考

筆者の場合はまず「物語全体の結末」を先に作ります。
これはどういうことか、というとまぁようするに
「ハッピーエンド」か「バッドエンド」か、というところです。

人によってバッドエンドをハッピーエンドと捉える人がいたり
メリーバッドエンドとかいうレベル高いエンドもありますが
とりあえず作者目線で物語全体を見てみて
ハッピーエンドかバッドエンドか、という括りで考えます。

それを決めたらまず結末を作る人物、つまり主人公ですね。
主人公の結末、すなわち。

主人公が「答えを得た先にたどり着く結末」を考えます。
この「答えを得た」というのがミソです。
ただ単純に「敵を倒して故郷へ帰った」とか「好きな子と結ばれました」は
それはただの結末なので「答えを得た先にたどり着く結末」ではありません。

 

ふむふむ……って難しすぎィ!!
ショーゴ

ですよね(笑)。

では実際の作品のキャラクターを例にしてもっとわかりやすく解説します。

 

緋村剣心(るろうに剣心)

彼の生い立ちは簡単に説明すると

幼少期に師に出会い剣術を学び、その剣術で世の中を正せると舞い上がるが
師匠の反対に合い結果決別。
その後は幕末の動乱の中、世のためにと剣を奮い続け多くの命を
奪い続けその手を汚し続けます。

その中で最愛の妻、巴に出会うも彼女にはかつて婚約者がおりその婚約者の命を奪ったのは
他ならぬ剣心本人でした。

剣心に恨みを持つ悪党に狙われ撃退するもその中で自らの今までの行いが原因で
巴を失いここで剣心は自分の過ち、驕りと愚かさに気付きます。

そして時は流れ巴の弟、縁が姉の敵討ちと評して剣心を倒しにきます。
巴を死なせてしまった縁に対する罪悪感、彼の憎悪と
自らの過去の過ち、驕りと愚かさ。全てを受け止めた上で剣心は「答え」を出します。

「今生きている一人でも多くの人たちの笑顔を灯すために、
剣が振るえなくなるその日まで、剣と心を賭してこの闘いの人生を完遂する」

そうして縁を撃破し、剣心は作中で出会った二人目の最愛の女性、薫と再婚し
子供を設け幸せな生活を得たところで物語は終了します。

 

つまりこの緋村剣心の例を挙げると
「物語全体の結末」ハッピーエンド

「主人公が答えを得た先にたどり着く結末」
「今生きている一人でも多くの人たちの笑顔を灯すために、
剣が振るえなくなるその日まで、剣と心を賭してこの闘いの人生を完遂する」となります。

剣心がもしこの答えを出さず
「俺がやったことは変えられないけど今いる薫たちを犠牲にするわけにはいかない!」
縁を撃破したらどうでしょうか。

まぁこれ自体も決して悪いわけではないし読者から共感をもらうことは可能でしょう。
しかし見方を変えると「過去と向き合ってない」「過去から結局目を背けている」とも
思われてしまうかもしれませんね。

何故なら剣心の葛藤は「過去の己の罪と向き合い剣の道の答えを出す」ですから。
過去のやっちまったもんは変えられないけど未来は守る!だと
ちょっと自分勝手すぎない?ってなっちゃいますよね。

剣心はただでさえ自分の過去の罪や巴を死なせてしまったことから
自分が幸せになることを避けている部分があるので
そんな彼が幸せな結末を迎えるなら己の罪と向き合ってどうするか、という
過去の清算をする山場は避けられない
ことです。

 

まとめ

・物語の全体の結末とキャラクターの結末は分けて考える。
・手が止まるのはクライマックスを先に考えてないから。
・設定ばかり作ると手がとまる原因になる。

いかがでしょうか。
クライマックスを先に考えるのははっきりいってそれなりに難しいです。
ですが物語を作る上でクライマックスは絶対必要な部分。

難しくても頑張ってやってみましょう。

 

-物語の創作ヒント
-, , , , , , , ,