ヒロイン。
それは物語を鮮やかに彩る存在であり主人公と同じくらい大切な存在です。
主人公に寄り添い、支え、救い救われ、時には恋愛に発展し結ばれたり悲恋で終わったり。
物語の中心にいる主人公の隣に咲く花、それがヒロインというのが一般的な認識ではないでしょうか。
まぁ作品によっては主人公と敵対するラスボス系ヒロインという概念もありますが
この記事ではラスボス系ヒロインという概念は除外して解説します。
主人公と絡む機会が他のキャラより恵まれているからこそ読者の目に多く触れる機会が多い分
良いところも悪いところもダイレクトに読者に響きます。
この記事では読者に嫌われやすいヒロインの傾向を解説していきます。
嫌われやすいヒロインの傾向
主人公に助けを求めるだけで何もしない。
「助けて、主人公くん!」など主人公に助けを求めるのはある意味ヒロインの特権とも言えなくはありませんが
嫌われるヒロインの大きな特徴の一つとして助けを求めるだけ求めて自分は何もしない、という点です。
それだけではなくヒロイン自身の行動が原因で窮地に陥って主人公や仲間たちを危険に晒したあげく
悲劇のヒロインよろしく涙を流して主人公に助けを求める、というのは読者に嫌われる確率がかなり高くなります。
読者によっては男に依存している、と捉えられることが多いようです。
理想としては主人公に助けを求めてもヒロイン自身も主人公が窮地に陥った際には助ける、そういった
主人公と支え合うヒロインは逆に読者からの好感度は高くなります。
バトル系作品だとヒロインは戦闘員で周囲にも強さを認められている描写もわりとあるのに
一番肝心な時にいつも足手まといだったりすると読者からは忌避されやすいです。
ヒロインが非戦闘員だったりにしても主人公と足りないところを支え合える関係性をしっかり描写しないと
読者からは嫌われやすいヒロインになりやすいですよ。
誰かに依存しているのではなく自立しているヒロインは読者に好かれやすいです。
主人公以外の異性に好意を寄せられている。
確かにその通りです。
ヒロインが主人公以外のキャラクターから恋愛感情を抱かれている、というのは珍しくはありません。
それだけなら主人公との三角関係になり恋愛の行く末がどうなるのか、というハラハラドキドキを読者に
与えることができるのでそれはそれでアリです。
では何が問題なのか。
描写のやり方次第では「ヒロインが男をキープしている」と捉えられることがあるのです。
例えば「誰にでも優しく笑顔が素敵なヒロイン」だったとしましょう。
そんなヒロインなのでもちろん主人公以外のキャラクターにも優しく接します。
優しくしてくれるヒロインにキャラAが惚れます。
問題はここからで、もしヒロインがキャラAから好意を向けられてアプロ―チされていたとします。
ここでヒロインが
「ごめんなさい。あなたの気持ちはうれしいけど私は主人公が好きだから」
とはっきり口にしていれば読者からすればむしろヒロインの一途さがしっかりわかるので好印象を持たれます。
しかしキャラAから好意を向けられてるとわかっていて
ヒロイン自身も主人公に想いを寄せている状況にも拘わらず
・キャラAからのあからさまな好意に気付いていない。
・好意を向けられて煮え切らない態度しかとらない。
・キャラAを拒絶も肯定もしない。
・キャラAからの好意を(ヒロインに意図があったなかった関係なく)利用するような場面がある。
・主人公に想いを寄せていながらキャラAの好意に気付いていながらもはっきりと拒絶を伝えない。
……などなどのいわゆる八方美人的な描写がもしあった場合どうでしょうか。
「主人公との関係が上手くいかなかったときのためのキープ君扱いしてる」と思われても仕方がないのではないでしょうか。
キャラAが女性ウケしそうなイケメンキャラだった場合、女性読者からのヒロインへの不満はより高くなりやすいです。
そして三角関係の場合、必ず失恋するキャラクターが出てきます。
主人公とヒロインが結ばれた場合、ヒロインに想いを寄せていたキャラAは自動的にフラれます。
つまり「キープした上で振ったヒロインひどくない???」となるのです。
主人公(好きな人)のことしか頭にない。
好きな人のことばっかり言及して他のキャラクターのことは二の次三の次なヒロイン。
俗にいう恋愛脳ヒロインです。
恋をしているときは好きな人のことで頭がいっぱい、というのはまぁそれなりにあります。
が!
物には限度、というものがあります。
例えば……
・助けてもらったのにその人にお礼を言わずに好きな人に一直線に駆け寄って心配していたアピールばかりする。
・普段から気をかけてくれている友人より好きな人ばかり気にかける。
・主人公だけではなく仲間や友人たちも尽力してくれたおかげで自分の問題が解決したのに
「主人公くんが頑張ってくれたおかげだよ!」という(仲間や友人たちの立場は???)
・好きな人が他の女性キャラクターといい感じになってると嫉妬して他のキャラクターたちに迷惑をかける。
・世界の命運を担うような立場なのに主人公になにかあったら責任をあっさり放り投げて主人公の元へ行き
その尻ぬぐいは他のキャラクターにやらせて反省なし。
などなど挙げていくとキリがないのでここで止まっておきますが
このように好きな人のことばかり頭になくて他の友人や仲間たちを後回しに考えてしまうと
恋愛脳ヒロインというレッテルを貼られることになっちゃいます。
好きな人を一途に想うキャラクターは見ていていじらしいし応援したくなるものですが
それも度を越えると周囲に迷惑をかける迷惑なキャラクターとなります。
何事もほどほどにが一番。
まとめ
・主人公に助けてもらうばかりのヒロインはNG!
・他のキャラクターをキープしていると思われるような描写は避ける。
・ちゃんと好きな人以外のキャラクターにも気を遣う描写を入れる。
ヒロインは物語に咲く花といっても過言ではないポジションです。
人によって作品の評価はヒロインに左右されることもあります。
そんな存在が読者に嫌われるというのはあまりにも悲しいことです。
今一度あなたの作品のヒロインを振り返って読者に好かれるヒロインをめざしましょう。